心不全てどんな病気か知っていますか?
2020/07/26更新
こんにちは。院長の品川弥人です。
心不全てどんな病気か知っていますか?
多くの人は耳にしたことがあると思いますが、一般的には、心臓発作? 突然心臓が止まってしまうこと? と思う方が多いのではないでしょうか。
心不全という病気を簡単に説明すると、心臓の血液を送り出すポンプとしての働きが悪くなる病気のことなんです。
一般の方向けの分かりやい説明としては、「心不全とは、心臓が悪いために、息切れや浮腫みが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。」と定義されています。(日本循環器学会・心不全学会)
つまり心不全とは、急激に心臓が悪くなる急性心不全という病気もあるのですが、徐々に心臓の働きが悪くなる慢性的な心臓病を意味することのほうが多いのです。
日本人の死因の中で一番多いのは悪性新生物(癌)で、2番目に多いのが循環器疾患(心臓病)(2020年7月現在)ですが、循環器疾患の中で心筋梗塞が減ってきている一方、毎年増え続けているのが心不全で、2020年現在、20年間で約2倍に増えています。(厚生労働省が毎年発表している人口動態統計より)しかし、癌に比べると“心不全”という病気の怖さについてはあまり知られていないのが現状です。
実は心不全で入院したことのある人はその後の5 年間に約半数(50%)の方が亡くなっています。これは肺がんよりは良好ですが、大腸がんとほぼ同等、前立腺がんや乳がんよりは不良なのです。
心不全患者さんが増加している現状は「心不全パンデミック」といわれ、その対策の必要性が社会問題にもなっています。これから数回にわたって心不全という病気について詳しく説明していきますね。